著者
河村 諒 中里 和弘
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.175-183, 2020 (Released:2020-07-15)
参考文献数
21

【目的】介護職員の視点から,高齢者施設の宗教的な関わりの要素および宗教的な関わりが利用者,施設職員,利用者家族に及ぼす影響を整理し,宗教的な関わりの臨床的意義と課題を探索的に検討することを目的とした.【方法】特別養護老人ホームの介護職員12名を対象に質問紙調査および半構造化面接を行った.【結果】利用者では「非日常性」等の8つの要素が「日常場面におけるポジティブな精神的変化」等の5つの影響を,介護職員では「宗教の意識化」等の2つの要素が「自身の宗教観の変化」等の2つの影響を,利用者家族では「利用者を見送る行為の具現化」の要素が「利用者家族の精神的ケアの場」の影響をもたらすと考えられた.【結論】宗教的な関わりが利用者だけでなく施設職員や利用者家族にも有益である可能性が示唆された.
著者
河村 諒
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.48, pp.149-155, 2016-03-31

わが国では,介護職への就業増加と離職防止による介護人材の確保が急務の課題となっている。本研究では,介護職への就業希望や継続に影響を及ぼすと示唆されている特性的自己効力感と介護職を想定した職業性ストレスとの関連性及び介護職への就業希望との関連を検討することを目的として,女子短期大学生81名を対象に質問紙調査を行った。結果,介護職への就業希望に対して「仕事の適合性」は関連性が示されたが,特性的自己効力感は関連性が示されなかった。しかし,特性的自己効力感と「仕事の適合性」は相関関係が認められた。