著者
河田 浩 細井 昌子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

慢性の広範囲痛および慢性の限局痛と家族機能の関係における差異を検討した。慢性の限局痛患者に比べ、慢性の広範囲痛患者は「役割」と「情緒的関与」における機能が低かった。本研究で慢性の広範囲痛患者の家族機能は慢性の限局痛患者くらべより適応的でない家族機能を有していることを示した。幼少期の養育と成人後の慢性疼痛の重症度の間の関係について検討した。1)慢性疼痛のない一般住民、2)慢性疼痛のある一般住民、3)外来慢性疼痛患者、4)入院慢性疼痛患者の4つの群において両親のケアと過干渉を比較した。両親とも望ましくない養育スタイル(低ケアと過干渉)の頻度は1)群から4)群まで段階的に優位に増加した。
著者
細井 昌子 久保 千春 柴田 舞欧 安野 広三 澤本 良子 岩城 理恵 牧野 聖子 山城 康嗣 河田 浩 須藤 信行 二宮 利治 清原 裕
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

心身医学の中心概念である失感情症(自身の感情に気づきにくい傾向)と陽性感情(生活満足度)および慢性疼痛の合併リスク,養育スタイルと慢性疼痛合併率について福岡県久山町の一般住民で調査した.失感情症群では慢性疼痛の罹患リスクが有意に高く(OR : 2. 7),生活満足度が有意に低下していた.さらに,両親の養育スタイルでは,冷淡と過干渉の両親の養育スタイルを受けた住民で慢性疼痛合併率が高く,とくに父親の養育スタイルが冷淡/過干渉群では有意に慢性疼痛合併率が増加していた.