著者
河田 惠昭 河田 英子
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

子供たちに研究成果を絵本の形で出版し、教育効果を挙げるためには、いろいろな工夫が必要である。本研究では、漫画によるマニュアル、伝承の漫画化およびマニュアルのイラスト化によって実現した。まず、漫画によるマニュアルは、平成17年に高知県で発行された「南海地震に備え」(家庭保存版、カラー)では、漫画家のやなせたかし氏の協力を得て、次の登場人物、すなわち「じしんまん」「つなみまん」「たいさくくん」「ヘルパちゃん」ら6人のキャラクターを登場させ、挿絵漫画の形式で全28ページの南海地震・津波防災マニュアルが完成し全戸配布された。大変評判がよく増刷を実施した。伝承の漫画化では、「歴史漫画:浜口梧陵伝」として、『津波から人びとを救った稲むらの火』を出版した。これは1854年の安静南海地震津波で起こったことを素材としたフィクションを漫画化したものであって、劇画のストーリーからなる本文と本研究者らによる架空防災対談『津波から身を守る』が巻末に掲載された形になっている。漫画によるマニュアルは『こども地震サバイバルマニュアル』が刊行された。キャッチフレーズは小学生から読める、親子ですぐとりくめるであって、必要な情報がもれなくイラストと文章で提示されている。