著者
河野 健司
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.330-333, 2006-05-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
21

標的細胞に遺伝子を導入し,効率よく発現させる技術の確立は,遺伝子治療や再生医療などの先進医療の発展にかかわる重要な鍵である.効率のよい遺伝子発現を実現するためには,遺伝子の最終目的地点である細胞核内まで遺伝子をスムーズに送り届けることができ,しかも生体にとって安全性の高い運搬体の開発が必要である.本稿では,標的細胞において効率的な遺伝子発現を誘導するための遺伝子送達システムの設計について,筆者らが進めている機能性リボソームを用いた遺伝子送達システムを中心に解説する.
著者
河野 健司
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.644-653, 2008 (Released:2009-02-13)
参考文献数
51

リポソームのDDSとしての有用性を高めるためには,リポソームに新しい機能を与え,しかも,高いパフォーマンスを実現することが重要である.高分子化学からのリポソームへのアプローチは,リポソームの高機能化・高性能化を実現するためのすぐれた手法であり,これまでに高分子の導入によってさまざまな高機能リポソームが構築されてきた.本稿では,筆者らが展開してきた温度応答性高分子やpH応答性高分子の導入による機能性リポソームの構築を中心に,リポソームの機能化・高性能化における高分子化学からのアプローチの有用性について述べる.