著者
内田 篤呉 秋山 光文 荒木 史 有賀 祥隆 今井 康弘 大川 昭典 大下 浩司 奥村 公規 河合 正朝 木村 法光 宍倉 佐敏 下山 進 ジャンジャック ドロネー 城野 誠治 鈴田 滋人 玉蟲 敏子 中井 泉 中野 嘉之 馬場 秀雄 早川 泰弘 林 温 藤本 孝一 増田 勝彦 室瀬 和美 森口 邦彦 柳橋 眞 矢萩 春恵 河野 泰典 矢代 勝也 尾西 勇 柴田 伸雄 中本 久美子 米井 善明
出版者
(財)エム・オー・エー美術・文化財団(学芸部)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

科学調査は、東京理科大学・中井泉教授、吉備国際大学・下山進教授らが中心に担当し、型の技法は重要無形文化財保持者・森口邦彦氏、鈴田滋人氏、室瀬和美氏が伝統工芸技術から技法解明を実施した。科学調査の結果は、金地は金泥でなく、金箔とする第1次調査の結果を覆すものであった。有機色料は、波の部分に藍の存在は認められず、青墨の可能性が指摘された。伝統工芸の技法の調査は、金地と流水の境界の輪郭線は、縁蓋(型地紙)を用いた可能性が高いが、流水は型では表現できず、防染剤で描いたものと考えられる。文化財の研究は自然科学のみの調査に頼るのではなく、歴史と伝統の中で蓄積された技術や経験を踏まえることが極めて重要であった。