著者
高松 寿夫 新川 登亀男 吉原 浩人 陣野 英則 河野 貴美子 後藤 昭雄 波戸岡 旭 仁平 道明
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平安時代前期の漢詩文集、とりわけ『菅家文草』の諸本調査を行い、本文の異同、諸本の系統についての検討を行い、新たな見識を得た。2種版本(寛文版本・元禄版本)の本文異同については、漢詩部分(前半6巻)については、一覧にした冊子も作成した。渤海使関係詩の注釈作業を行ったが、その際にも、『菅家文草』諸本調査の成果が役立った。渤海使関係詩の注釈成果は、『早稲田大学日本古典籍研究所年報』誌上に公表した。
著者
河野 貴美子 石 継明 段 立葉
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.22-31, 1996-03-01

気功師38名(中国人20名、日本人18名)および気功は素人の受け手一般人29名の脳波を測定した。気功中は、α波と共にθ波が増大すると言われている。しかし、気功師の安静時、θ波出現は8名(21.1%)、外気功28例中6例(21.4%)、内気功19例中7例(36.8%)で、いずれのθ波も2〜3周期の短いものが全汎性に、かつ一連(約10分間)の実験中、数回現われたに過ぎない。気を受けた一般人の37.9%にθ波が現われたのに比較し、気功師に多いとは言えず、また安静時より気功中に増えるとも言えなかった。そこで、α波の周波数変化を調べた。気功師38名の安静閉眼時、α波のピーク周波数は平均9.55±0.14Hzであったが、外気功中は9.74±0.18Hz、内気功中は10.05±0.22Hzといずれの場合も増大した。しかし、気功師個々には、速波化タイプと徐波化タイプがあり、外気功の7名(26.9%)、内気功の7名(41.2%)が徐波化タイプであった。曹洞禅や阿字観瞑想(密教系瞑想法)など仏教系の瞑想では深い瞑想中α波の周波数は遅くなる。超越瞑想(TM)ではほとんど変化がなく、わずかに速波化であった。TMは、心の中でマントラを唱えつつ、集中することで瞑想に入る。気功も同様に気のイメージの様なものが関与し、それへの集中があるものと思われた。徐波化する者の気功法には、瞑想法的な要素が考えられる。しかし、彼等は安静時から周波数が高いものが多く、僧侶においてα波が徐波化してθ波が現われるのと違い、θ波出現者との間に相関は見られなかった。