著者
河野 麻実子 吉野 智恵 松浦 洋一 浅田 雅宣 河原 有三
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.87-92, 2004 (Released:2005-03-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

健常成人94名 (男性32名, 女性62名, 平均年齢35.4歳) に, 1包中Bifidobacterium longum JBL01を包含したシームレスカプセル0.2g (2.0×109 CFU), Lactobacillus gasseri JLG01およびEnterococcus faecium JEF01を包含したシームレスカプセル0.1g (それぞれ5.0×108 CFU) およびオリゴ糖0.29gを含むビフィズス菌製剤 (商品名 ビフィーナR) を1日に1包, 2週間摂取させた. 供試試料の摂取により, 便秘傾向者 (排便回数が5回以下/週) 群の排便回数が有意に増加し (p <0.01), 排便量も増加の傾向がみられた. 排便回数が週5回を超える非便秘傾向者群においても排便量の増加傾向がみられた. 全群で, 便の形状の改善傾向が認められたが, 特に便秘傾向者群および下痢傾向者群で顕著であった. さらに, 両群で, 便の色の明るい色調への移行傾向が認められた. 以上の結果より, 本製剤の摂取は, 排便回数および便性状の改善に有効であることが示唆された.
著者
辻 義弘 吉岡 健太郎 河野 麻実子 鈴木 尚紀 田尻 伸弘 人見 泰正 加藤 かおり 吉田 俊子 水野 (松本) 由子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.413-422, 2015 (Released:2015-07-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

腸溶性カプセル化ビフィズス菌製剤 (以下, カプセル化ビフィズス菌製剤) を透析患者に服用させ, 便秘症状の改善とそれに伴うQOL, および血液検査結果の変化について検討した. 透析患者24名を対象とし, カプセル化ビフィズス菌製剤を1日1包8週間服用させた. 便秘の尺度評価には日本語版便秘評価尺度を用い, QOLの変化にはThe Patient Assessment of Constipation Quality of Life Questionnaire (PAC-QOL) を用いた. カプセル化ビフィズス菌製剤摂取前と比較して, 21名 (87.5%) に便秘症状の改善とQOLの向上が認められた. また, 早期に便秘が改善した群では血清リン値が有意に低下した. カプセル化ビフィズス菌製剤摂取の効果が早発性に出現する透析患者では, 便秘症状の改善に伴うQOLの向上, および血清リン値の低下に有用であることが示唆された.