著者
人見 泰正 鈴木 尚紀 辻 義弘 松井 博志 小西 昂博 高田 博弥 延命寺 俊哉 佐藤 暢
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.393-399, 2020 (Released:2020-08-01)
参考文献数
22
被引用文献数
2

【目的】上腕動脈から狭窄病変へ至るまでの血管ルートに逃げ道となる分枝血管がある場合とない場合で, FV, RIの病変検出能力にどの程度の数値的差異があるのかを調べた. 【対象・方法】対象は, 399名の維持血液透析患者とした. 対象をNormal群, 狭窄病変を有するStenosis群, 狭窄病変を有し病変手前に分枝血管を有するStenosis+分枝群に分類し, 各群間の背景因子とFV, RIの平均値を比較するとともに, 病変検出をアウトカムにROC曲線を描いた. 【結果・考察】Stenosis+分枝群の割合は, 病変を有する症例の39.0%を占めた. Stenosis群は狭窄病変検出に対するFVの信頼度がhigh accuracyであったが, Stenosis+分枝群ではlow accuracyであった. RIはともにmoderate accuracyであった. 本検討結果はエコーを用いた内シャント評価時に加味すべきである.
著者
穂満 高志 辻 義弘 吉岡 正訓 藤堂 敦 人見 泰正 浅川 徹也 水野(松本) 由子
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.24-28, 2014-01-01 (Released:2014-01-22)
参考文献数
6

【目的】ネブライザの取り付け位置の工夫が,フロートリガー時の回路内定常流によるエアロゾル損失を抑え,ネブライザ運搬効率を上げると仮説を立て,新たな超音波ネブライザの取り付け位置を提案するために生体外モデルでの検討を行った。【方法】挿管チューブの先端と呼気側回路にそれぞれフィルタを接続し,ネブライザをYピース手前に取り付けた従来法と,Yピースと挿管チューブの間に取り付けた提案法の2種類の模擬回路を作成した。薬液ユニットに10%食塩水10 mlを入れ30分間噴霧させた。噴霧前,噴霧30分後のフィルタの質量を測定し到達率と損失率を求めた。【結果】提案法のエアロゾル到達率は,従来法と比較して有意に高値を示した。また従来法のエアロゾル損失率は,提案法と比較し有意に高値を示した。【結語】提案法は,新たなネブライザ取り付け位置の有用性を示した。
著者
人見 泰正 鈴木 尚紀 辻 義弘 高田 博弥 山田 将寛 北村 悠樹 佐藤 暢
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.167-173, 2022 (Released:2022-03-28)
参考文献数
15

【目的】シャント狭窄部に駆血を行うことで血管拡張が得られる症例とそうでない症例で,治療成績や検査基準に違いがあるかどうかを検討した.【対象】対象は,非駆血時での狭窄部血管断面積が3.14 mm2(径で2.0×2.0 mm)以下で,エコー下VAIVTを実施した96例である.【方法】対象を,駆血で狭窄部血管径が拡張する血管拡張良好群と拡張しない血管拡張不良群に分類し,両群のVAIVT前での非駆血時狭窄部断面積,FV,RI,および治療での最高拡張圧,過去3年間のVAIVT回数などを統計学的に比較した.【結果・考察】血管拡張良好群の治療効果は血管拡張不良群よりも低い可能性が高く,血管拡張良好群の非駆血時の狭窄径は見かけ上の有意狭窄である可能性が示唆された.非駆血状態で狭窄部の径計測を行い,それのみをVAIVT介入の基準とした場合,過剰な治療介入が存在する可能性がある.治療適応を考査する際には,駆血したうえで狭窄部の径計測を行う必要がある.
著者
辻 義弘 吉岡 健太郎 河野 麻実子 鈴木 尚紀 田尻 伸弘 人見 泰正 加藤 かおり 吉田 俊子 水野 (松本) 由子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.413-422, 2015 (Released:2015-07-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

腸溶性カプセル化ビフィズス菌製剤 (以下, カプセル化ビフィズス菌製剤) を透析患者に服用させ, 便秘症状の改善とそれに伴うQOL, および血液検査結果の変化について検討した. 透析患者24名を対象とし, カプセル化ビフィズス菌製剤を1日1包8週間服用させた. 便秘の尺度評価には日本語版便秘評価尺度を用い, QOLの変化にはThe Patient Assessment of Constipation Quality of Life Questionnaire (PAC-QOL) を用いた. カプセル化ビフィズス菌製剤摂取前と比較して, 21名 (87.5%) に便秘症状の改善とQOLの向上が認められた. また, 早期に便秘が改善した群では血清リン値が有意に低下した. カプセル化ビフィズス菌製剤摂取の効果が早発性に出現する透析患者では, 便秘症状の改善に伴うQOLの向上, および血清リン値の低下に有用であることが示唆された.
著者
中地 映司 池田 惣一 金 裕哲 中辻 義弘 堀川 浩甫
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 : quarterly journal of the Japan Welding Society (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.535-540, 1997-08-05
参考文献数
7

The dissimilar materials welded joints of high manganese non-magnetic steel/carbon steel(hereafter refered to as DMW joints), in which weld defects such as hot crack or blowhole are not found, were the good quality. Tensile strength of DMW joints was 10% higher than that of the base metal of carbon steel. In the bend tests, the DMW joints showed the good ductility without crack. Charpy absorved energy at 0 (℃) of the DMW joints was over 120 (J) in the bond where it seems to be the lowest. Large hardening or softening was not detected in the heat affected zone. Fatigue strength of the DMW joints is almost the same with that of the welded joints of carbon steel/carbon steel. As the fatigue strength of the DMW joints exceeds the fatigue design standard curve of JSSC for carbon steel welded joints, the DMW joints can be treated the same as the welded joints of carbon steel/carbon steel of which strength is lower than that of high manganese non-magnetic steel, from the viewpoint of the fatigue design.