著者
早田 保義 今泉 由紀子
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.708-710, 2000-11-15
被引用文献数
3 6

わが国の代表的な4品種の観賞用ヒマワリについて, 日長が花芽分化と開花に及ぼす影響を調べた.4品種ともに播種から花芽分化までの日数は8時間日長で短縮された.しかし花芽分化から開花までの日数は, 'ビックスマイル'および'サンリッチオレンジ'では8時間日長と12時間日長で短縮され, 逆に'タイヨウ'では16時間日長で, 'バレンタイン'については16時間日長と12時間日長で短縮された.開花時の花序の直径は, 'サンリッチオレンジ', 'タイヨウ'および'バレンタイン'では処理区間での差がなかったが, 'ビックスマイル'では8時間日長で若干減少した.以上の結果より, 本実験で供試したヒマワリは品種によって花芽分化の最適日長と花芽発達の最適日長が異なることが明らかとなった.このことから, ヒマワリを栽培する場合に栽培期間の短縮を図るための日長処理時期は「播種時∿花芽分化期」と「花芽分化期∿開花時」の二つの時期に分け, それぞれの時期に適した最適日長処理を行うべきと推定された.
著者
髙島 周志 竹中 博美 泉 由紀子 齋藤 伸一 住谷 哲 中村 秀次 佐藤 文三
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.44-49, 2010 (Released:2013-02-28)
参考文献数
20

目的:非アルコール性脂肪性肝障害(Nonalcoholic Fatty Liver Disease:以下,NAFLD)の患者の多くでインスリン抵抗性を示すことが報告されてきている.しかし,インスリン抵抗性がNAFLDの原因なのか結果なのか,脂質代謝に如何に関与するのか,抵抗性がインスリン作用発現機構のどのステップで生じているのか等は不明な点が多い.今回我々は人間ドック受診者を対象に,NAFLDにおけるインスリン抵抗性が生じる機構について検討した.方法:当センターを2008年に受診した3,698名の中で,アルコール飲酒の習慣がなく,糖および脂質に関する薬を服用していない男性521名,女性575名を対象とした.インスリン抵抗性の指標としては,糖代謝関係のHOMA-Rと,脂質関係のTG/HDL-Cを用いた.脂肪肝の有無は腹部超音波検査で判定した.結果:HOMA-R値上昇とともに脂肪肝の発生頻度も上昇した.一方TG/HDL-C値上昇とともに脂肪肝の発生頻度も増加し,ROC解析でTG/HDL-C値はHOMA-Rと同等の脂肪肝検出能を持っていた.結論:NAFLDの発生頻度はHOMA-R値上昇につれ増加し,インスリン抵抗性はNAFLDの病態に関与することが示唆された.また,インスリン抵抗性はレセプター以降の,糖質制御経路と脂質制御経路の分岐以降で生じていると考えられた.