著者
津田 尚胤 貝戸 清之 山本 浩司 小林 潔司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.473-491, 2006 (Released:2006-07-20)
参考文献数
41
被引用文献数
4 5

土木施設のアセットマネジメントにおいて,土木施設の劣化予測が重要な課題となる.現実には,劣化状態に関する点検データが十分でなく,劣化予測モデルの推計精度が十分でない場合が少なくない.その際,技術者の経験的知識等を劣化予測に活用するとともに,新しく利用可能になった点検データに基づいて,劣化予測モデルの推計精度を逐次改良するような方法論が必要となる.本研究では,土木施設の故障の有無を予測するためのワイブル劣化ハザードモデルを,新しく利用可能になった点検データに基づいてベイズ推計する方法論を提案する.その際,マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて,未知パラメータの事後分布を効率的に推計する方法を提案する.さらに,トンネル照明ランプを対象とした適用事例を通して,提案した方法論の有効性について考察する.
著者
津田 尚胤 貝戸 清之 青木 一也 小林 潔司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.801, pp.801_69-801_82, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
17
被引用文献数
17 15

本研究では橋梁部材の劣化予測のためのマルコフ推移確率モデルを推定する方法論を提案する. その際, 橋梁部材の劣化状態を複数の健全度で定量化するとともに, 時間の経過により劣化が進展する過程をハザードモデルで表現する. その上で, 一定期間を隔てた時点間における健全度の推移関係を表すマルコフ推移確率を指数ハザード関数を用いて表現できることを示す. さらに, 定期的な目視検査による健全度の判定結果に基づいて, マルコフ推移確率を推定する方法を提案する. ニューヨーク市の橋梁を対象とした実証分析により提案した方法論の有効性を検証するとともに, サンプル数と指数ハザードモデルの推定精度の関係について考察する.