著者
浅田 拓史 吉川 晃史 上總 康行
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.154-166, 2016 (Released:2017-04-17)
被引用文献数
4

本稿では,株式会社小松製作所における経営改革事例の分析を通じて,その成功要因として,経営者による危機意識の醸成とビジョンの提示,TQC による現場知識の存在とSVM 管理の親和性,結節点としての会計部門の役割を明らかにした。とりわけ会計部門がナレッジ・エンジニアとして行為することが知識創造としての管理会計変化を促進することを示した。
著者
浅田 拓史
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.71-86, 2010-01-10 (Released:2019-03-31)

本稿は,個別企業における管理会計の変化プロセスについてより良い理解を提供することを目的としている.このために本稿では進化的アプローチを採用し,株式会社村田製作所の事例を用いて,その優位性を経験的に検証する.また,歴史研究において蓄積されてきた豊かな知見を利用し,これを拡張するという方法でより説明力の高い分析枠組みを構築しようと試みる.このような新たな分析枠組みを用いることで,村田製作所のマトリックス経営における管理会計技法の機能のみの変化という新たな進化型や,経路依存性などの組織的な変化の性質について考察することが可能となる.最後に,進化的アプローチの有用性を主張するとともに,将来研究へ向けたいくつかの課題を述べる.