著者
阿久津 洋巳 浅野 壮志 AKUTSU Hiromi ASANO Takeshi
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.9, pp.65-71, 2010

現代社会に生活する多くの人は,1週間を一つの周期としている.この周期は「日曜日が好きだ」とか「月曜日は嫌いだ」という大まかな曜日の好き嫌いに現れたり,曜日ごとに様々に変動する感情をもたらす.ポジティブ感情(PA)とネガティブ感情(NA)は,曜日ごとに変動することが知られており,この変動は「曜日の効果」と呼ばれることもある.「曜日の効果」に関する先行研究は,活性化したPA と「快感情(Pleasant affect)」を区別する必要があることを明らかにしている(Egloff,Tausch,Kohlmann & Krohne, 1995).活性化したPA(以下単にPA とよぶ)は覚醒感をともなっているが,一方,快感情は高い活性状態をともなっておらず,「幸せ」や「うれしい」のような穏やかで持続的な気持ちを含んでいる.活性化したネガティブ感情,つまり緊張や不安といった気持ちを含むNA(以下単にNA とよぶ)と,悲しみや不幸といった気持ちを含む「unpleasant affect(不快感情)」についてもPA と同様のことが言える.