著者
浜中 慎太郎
出版者
日本国際経済学会
雑誌
国際経済 (ISSN:03873943)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.1-26, 2017 (Released:2017-10-27)
参考文献数
22

FTA交渉を含む国際交渉では,主導権を主張する複数の国々が自国に有利な交渉分野,交渉参加国を提案するため,交渉分野,交渉参加国構成,主導権を発揮できる国の全てが不明確な混沌とした状況が続く。どのような駆け引きを通じてそのような混沌状況から脱却し,国際ルール形成が行われてゆくのであろうか。本稿ではFTAAP,TPP,RCEPの3つのケースを用いて,交渉分野の設定および交渉参加国の限定を企てる国々の駆け引きを分析する。