著者
松田 一孝 胡 振江 中野 圭介 浜名 誠 武市 正人
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.2_56-2_75, 2009-04-24 (Released:2009-06-24)

双方向変換は,元のデータの一部を抽出し加工する順方向変換と,順方向変換で得られたデータに対する変更を元データに書き戻す逆方向変換の二つの変換から構成される.双方向変換を用いることで,XML文書の同期や相互変換を行える.さらには,双方向変換はプレゼンテーション指向の文書作成やソフトウェアエンジニアリングにも利用できる.著者らは2007年に,順方向変換を記述するプログラムが与えられたときに自動的に逆方向変換を得る系統的な手法を提案した.しかし,そこで扱われている順方向のプログラムは制限が強く,制限の一つとして変数を二度以上使用することが禁止されていたため,複製を含む変換は記述できなかった.そこで本論文では,前手法を拡張し,複製を含むプログラムにおいても自動的に逆方向変換を得る手法を提案する.
著者
浜名誠 西岡 知之 中原 鉱一 井田 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, pp.25-32, 1994
被引用文献数
1

関数論理型言語とは関数型言語と論理型言語を融合したプログラミング言語である.本稿で述べる関数論理型言語Evは,関数型言語の特徴である高階関数,遅延評価,及び論理型言語の論理変数や非決定的な実行といった特徴を全て備えている.Evはコンビナトリー項書換え系とナローイングという理論的背景を特ち,効率の良い実行のために設計された計算系LNCに基づいている.本稿では関数論理型言語Evとそのインタプリタの実現方法について述べる.特にEvのプログラムをコンビナトリー項書換え系とみなすための変換方法を与え,Evと理論とのつながりを示す.