著者
藤野 義之 浜本 直和 蓑輪 正 鈴木 龍太郎 田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.13-16, 2008-12-11
被引用文献数
6

安心・安全な社会の実現のため非常災害時における確実な通信手段の確保の必要性が叫ばれている.これらの社会的機運の高まりをうけ、地上通信と衛星通信を統合した新たな共用端末のためのモバイル衛星通信システムの検討が開始されている.これは、地上の携帯電話と同等程度の小型端末で直接衛星との通信を可能とすることにより、地上通信と衛星通信を同一端末で実現するシステムである.通信衛星に大型展開アンテナを搭載し、サービスエリアを数多くのマルチビームで覆うことにより、衛星側の通信能力を飛躍的に高めることや、地上の携帯電話と同一周波数帯の使用を実現することで可能となる.本稿ではこのシステムについて紹介し、技術的課題について述べる.
著者
三浦 周 渡邉 宏 浜本 直和 辻 宏之 藤野 義之 鈴木 龍太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.136, pp.37-42, 2010-07-15
被引用文献数
1

本研究では、地上/衛星共用携帯電話システム(STICS)の地上/衛星間周波数共用の検討の一環として衛星上り回線への干渉量を算定するに当たり、地上系ネットワークのトラフィック状況および伝搬環境を考慮した地上回線からの新たな干渉モデルを用いて干渉量の評価を行っている。干渉モデルは、日本全国をメッシュに区切った標準地域メッシュ毎に地上システムの携帯電話のEIRPの総和を計算する。この、単位面積当たりのEIRPの総和(地表面EIRPと定義)を、単位面積内の人口数、同時通話数、端末当たりEIRP、伝搬環境(見通し条件)の違いによる干渉電力の違いと伝搬環境毎の人口比、等のパラメータで表現する。本モデルの妥当性を評価するため、IMT-2000携帯電話に関する各種統計量や測定値を始めとする現実的なパラメータを入力し、上空受信実験の測定結果と比較して人口密度対地表面EIRPの関係が同様の傾向となる結果を示す。また、本モデルを用いて地上携帯電話からSTICS衛星への干渉量を試算し、衛星ビーム端受信CIRの最小値が15.1dBとなる結果を示している。