著者
蓑輪 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.546, pp.185-190, 2004-01-08
参考文献数
11

本稿では,GPSを用いた姿勢決定のための新しい構成方法を提案する.提案法では,多面体の頂点にGPS受信機を配置することで,姿勢変動の激しい航空機等の物体上においてもより多くのGPS衛星からの信号を的確に受信することが可能となり,姿勢決定を高精度に行うことができる.従来は,三角形の平面状の頂点に3つのGPS受信機を配置していたため,移動体が傾くと姿勢決定に十分な数のGPS信号を補足することが困難であった.提案法において主として利用可能な多面体としては,三角形の均一な面を有する正四面体,正8面体,そして正20面体がある.しかし,面数の増加とともに姿勢決定に要する信号処理も増加するため,計算量が問題である.そこで,本稿では多面体GPS受信の最適なデータ信号処理アルゴリズムに加えて,計算量を削減するための準最適なデータ信号処理アルゴリズムを提案する.最後に,多面体姿勢決定GPSの応用を議論する.
著者
藤野 義之 浜本 直和 蓑輪 正 鈴木 龍太郎 田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.13-16, 2008-12-11
被引用文献数
6

安心・安全な社会の実現のため非常災害時における確実な通信手段の確保の必要性が叫ばれている.これらの社会的機運の高まりをうけ、地上通信と衛星通信を統合した新たな共用端末のためのモバイル衛星通信システムの検討が開始されている.これは、地上の携帯電話と同等程度の小型端末で直接衛星との通信を可能とすることにより、地上通信と衛星通信を同一端末で実現するシステムである.通信衛星に大型展開アンテナを搭載し、サービスエリアを数多くのマルチビームで覆うことにより、衛星側の通信能力を飛躍的に高めることや、地上の携帯電話と同一周波数帯の使用を実現することで可能となる.本稿ではこのシステムについて紹介し、技術的課題について述べる.