著者
浜田 麻里奈 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.783-788, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
8

地縁に基づいたコミュニティの崩壊を受け、既存のネットワークとは異なる形で地域活動を維持することの重要性が高まりつつある。本研究では、地域活動の拠点となりうるコミュニティカフェ(以下、C.C.)の中でも、さらに地域外部との交流拠点ともなりうる、特有のテーマ性を持ったC.C.(以下、テーマ型C.C.)に着目する。その上で、テーマ型C.C.の運営者および関係を持つ団体にヒアリングを行い、持続的な地域活動における役割とそのメカニズム明らかにすることを目的とする。以下の点が明らかとなった;(1)テーマ型C.C.は地域周辺と良好な関係を形成した場において、地域活動の拠点となる。(2)地域活動を通してネットワークを形成した結果、関連団体は主体的に活動へ参加する意向が見られた。これは、テーマ型C.C.が、テーマに基づいた活動の経験や人材を地域側に紹介し、新たな活動が展開されたためである。(3)テーマ型C.C.は地域活動の拠点、および地域外部団体間との経験や人材を提供する役割を担う。これは、テーマ型C.C.が多目的の活動拠点を整備し、特有のテーマ性を有していたため可能であった。