著者
廣津 匡隆 栫 博則 海江田 英泰 中村 俊介 今村 勝行 藤元 祐介 谷口 昇
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.409-411, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

近年critical shoulder angle(以下CSA)と腱板断裂及び修復後腱板再断裂に関する報告が散見される.今回当院で行った関節鏡下腱板修復術(以下ARCR)患者におけるCSAと臨床成績,再断裂及びimpingement徴候の関連を検討したので報告する.対象は当院でARCRを施行し,1年以上経過観察可能であった76肩とした.CSAが35度未満の群(以下under群)と35度以上の群(以下over群)に分けて,術前後のJOA score,修復腱板の再断裂率,impingement徴候の陽性率を評価したがいずれも2群間に有意差を認めなかった.Impingement徴候陽性率はunder群では術後有意に改善し,over群では改善傾向にあるものの統計学的有意差を認めなかった.以上の結果より術後のimpingement徴候の有無にCSAが関与する可能性が示唆された.