著者
中村 俊介 三宅 康史 土肥 謙二 福田 賢一郎 田中 幸太郎 森川 健太郎 有賀 徹
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.312-318, 2011-07-15 (Released:2011-09-13)
参考文献数
19
被引用文献数
1

背景:熱中症の後遺症として中枢神経障害を生じた症例の報告は散見されるが,発生に関わる要因について検討されたものは少ない。目的:熱中症の臨床所見から中枢神経系後遺症の発生要因を明らかにする。方法:2006年,2008年に日本救急医学会熱中症検討特別委員会が実施した症例調査であるHeatstroke STUDY 2006およびHeatstroke STUDY 2008から中枢神経系後遺症を生じた症例,および対照として後遺症なく生存したIII度熱中症の症例を抽出し,各々の診療情報について分析を行った。結果:全症例数は1,441例であり,中枢神経系後遺症は22例(1.5%)で認めた。重複したものを含め後遺症の内容は,高次脳機能障害15例,嚥下障害6例,小脳失調2例,失語および植物状態が各1例であった。中枢神経系後遺症を生じた群の男女比は13:9,平均年齢は62.6歳であり,一方,後遺症なく生存したIII度熱中症は計286例で男女比213:72(不明1),平均年齢55.4歳であった。来院時の臨床所見については,中枢神経障害を生じた群で90mmHg以下の血圧低下,120/分以上の頻脈を多く認めたが,後遺症なく生存したIII度熱中症群との間に有意差はなかった。一方,Glasgow coma scale(GCS)の合計点,体温,動脈血ガス分析のbase excess(BE)において有意差を認め(各々p=0.001,p=0.004,p=0.006),また来院後の冷却継続時間についても有意差がみられた(p=0.010)。結語:中枢神経系後遺症の発生例では来院時より重症の意識障害,高体温,BE低値を認め,冷却終了まで長時間を要していた。中枢神経系後遺症を予防するためには,重症熱中症に対して積極的な冷却処置および全身管理,中枢神経保護を目的とした治療を早急に行うことが重要である。
著者
中村 俊介
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1070-1083, 2021-09-10

Point・頭部外傷に対する早期リハビリテーションとは,多方面にわたる機能を維持・改善・再獲得するために,48時間以内に開始される治療アプローチである.・廃用を予防し,早期のADL向上を図るため,早期離床や早期からの積極的な運動を行うように勧められるが,十分なリスク管理が必要である.・早期リハビリテーションは,多職種で構成されたチームで継続的に展開することが重要となる.
著者
斉藤 賢爾 中村 俊介 黒澤 伸一郎 緒方 大輔 南 政樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1P2OS9a8, 2012

<p>「アカデミーキャンプ」は、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の影響を受け、心身ともにストレスを受けて生活している福島県の小中学生を対象に、静岡県御殿場市にて実施しているキャンプ型の遊びと学びのプログラムである。この報告では、2011年夏および2012年冬に実施したキャンプを通して、参加したこどもたちのみならず、ボランティアとして参加した大学生等に生じた心的・行動的変化を述べ、評価を試みる。</p>
著者
廣津 匡隆 栫 博則 海江田 英泰 中村 俊介 今村 勝行 藤元 祐介 谷口 昇
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.409-411, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

近年critical shoulder angle(以下CSA)と腱板断裂及び修復後腱板再断裂に関する報告が散見される.今回当院で行った関節鏡下腱板修復術(以下ARCR)患者におけるCSAと臨床成績,再断裂及びimpingement徴候の関連を検討したので報告する.対象は当院でARCRを施行し,1年以上経過観察可能であった76肩とした.CSAが35度未満の群(以下under群)と35度以上の群(以下over群)に分けて,術前後のJOA score,修復腱板の再断裂率,impingement徴候の陽性率を評価したがいずれも2群間に有意差を認めなかった.Impingement徴候陽性率はunder群では術後有意に改善し,over群では改善傾向にあるものの統計学的有意差を認めなかった.以上の結果より術後のimpingement徴候の有無にCSAが関与する可能性が示唆された.
著者
吉沢 彰洋 中村 俊介 山下 智幸 三林 洋介 一杉 正仁 有賀 徹
出版者
一般社団法人 日本交通科学学会
雑誌
日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.79-80, 2016 (Released:2018-03-01)

長野県北アルプス広域消防本部において、2015年11月に実施された既存車両への「再帰性に富んだ反射材」貼付の実証実験とその後のアンケート調査の結果、非常に高い評価を得た。このうち救急車に関しては、実車両の反射具合と国土交通省発出文書に関する松本自動車検査登録事務所の解釈が落ち着いたことを確認して、貼付位置等を若干変更し、2016年3月18日「再帰性に富んだ反射材」を備えた新車の納車を迎えた。
著者
中村 俊介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.106-107, 2022-02-15
著者
中谷 亮介 満田 正樹 稲葉 静香 早田 修平 中村 俊介
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.28-32, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
3

今回,院内急変対応時に薬剤師に求められる役割を見出し,急変対応に必要な知識および技能の習得を目的として,医師および看護師を対象に急変対応時の薬剤師の必要性についてアンケート調査を行い,薬剤師を対象に院内急変対応シミュレーション研修や急変対応アクションカードの作成,急変対応に関するアンケート調査を行った。8割以上の医師,看護師が院内急変時に薬剤師が必要と回答し,急変対応時に薬剤師に期待する役割として,「使用薬剤の提案」,「薬剤の搬送」,「薬剤の取り出し」,「使用薬剤の記録」の4つの項目が主にあげられた。取り組み前は院内緊急コールに駆け付けることができていなかったが,取り組み後は全症例に対して薬剤師が介入できていた。今回の取り組みにより急変対応における薬剤師の役割が明確となり,急変対応への積極的な参画が可能となった。
著者
竹井 将紫 中村 俊介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.37, pp.105-107, 2007-05-11

本稿では,身体の動きを音楽と映像に変える『神楽-KaGuRa-』を応用した合奏システムを提案する.コンセプトは「ヒトとヒトとの協調性」であり,以下3つの小テーマを持 つものである.(1)体験者同士が互いの存在を直接的に意識できること(2)体験者同士が協調しながら身体を動かすことで音楽が生成されること(3)体験者同士の掛け 合いがコンテンツ内容の展開に反映されることThis paper reports the ensemble system that applies "KaGuRa" that changes a motion of the body into audio and visual. The concept is "The player's cooperation", and the one with three small themes hereafter. (1) The player should be able to consider existence each other immediately mutually. (2) Music must be generated with the movement of the player of his body mutually cooperating. (3) Player's negotiation must be reflected in progressing of content.