著者
川村 信一郎 深川 正弘
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.30-33, 1968

香川県産の金成と米国北部産のメリットをヘキサンで余り高温にならないようにして油を抽出した脱脂大豆に水を加えて,脱脂大豆無水物100部に対し水分120部として120℃に50分蒸煮すると,還元糖がはじめ0.1~0.2%であったのが,10倍前後の0.8~1.0%にふえた。これはグルコースとフルクトースであり,ガラクトースもできたらしい。非還元糖は脱脂大豆に10~11%含まれていたのが1~3%だけ減少した。定量的ペーパークロマトグラフィーの結果でもサッカロース,ラフィノース,スタキオースがそれぞれ減少した。全糖の量が減少しているので,非還元糖から生じた還元糖の一部は二次的に変化したものと考えられる。そのひとつとしてアミノカルボニル反応が考えられ,実際着色が進むことは周知のとおりである。水溶性窒素は1%に減少した。