著者
内田 雅之 吉田 朋広 増田 弘毅 深澤 正彰
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

拡散型確率過程のサンプリング問題を研究した.高頻度データを用いて確率微分方程式のパラメトリック推測を行う際に,疑似最尤推定量の導出が重要であるが,その推定量を効率よく算出するために,ベイズ型推測と最尤型推測の利点を活用したハイブリッド型推測法を開発し,その数学的正当化を行った.大規模数値実験によって提案手法の有効性の実証を試み,エルゴード的拡散過程や微小拡散過程に対して,ハイブリッド型推定量の漸近挙動が安定していることを確認した.提案手法は上記のモデルだけでなく,一般のモデルに対して適応可能である.また,レヴィ駆動型確率微分方程式の統計推測および高頻度データ解析への応用について研究した.