著者
深瀬 聡 丸山 文夫
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.611-619, 1994-11-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
19
被引用文献数
7 7

ベンチスケールの水素化精製装置を用いて, フレッシュおよび実機使用済みのNi-Mo/Al2O3触媒を使用し, 種々の条件下でFCC原料油であるVGOの前処理を行った後, 得られた生成油中のVGO留分についてMATを用いた接触分解試験を実施した。水素化精製の過酷度は, FCC原料油の組成とその接触分解特性に大きく影響を及ぼした。圧力3.9MPa, 温度400°C以上では熱分解の寄与が大きく, 水素化脱窒素がより起こりやすい条件である7.8MPaで水素化精製した時に比べ, VGO留分にはより多くの窒素と多環芳香族が含まれた。このため水素化分解率が高い3.9MPaでの水素化精製の場合には, 生成したVGOの接触分解率は大きく低下した。そして窒素, 多環芳香族, レジン等の原料油の性状とMAT分解率とを関連付ける式を提案した。
著者
加藤 恒一 深瀬 聡 石橋 泰 山本 学
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.529-533, 1997-11-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

固定床による新しいライトナフサ芳香族化 (LNA) プロセスを開発するため, 2250 BPD規模のデモンストレーションプラントによる実証化研究を行った。ペンタンを主成分とするライトナフサの芳香族化反応は, 従前は触媒の劣化が激しいため連続再生型か, またはスウィング再生型の反応器を用いるものであった。新規に開発されたゼオライト触媒を充てんした固定床反応器を中心とする実証化プラントにより転化率95wt%以上, 芳香族収率50wt%以上を与える1000h以上の長期連続運転が達成された。実証化プラントは, 通常タイプの重質ナフサ改質用の固定床プロセスの反応セクションを転用して建設され三個の断熱反応器および生成物の分離セクションを備えている。触媒再生は反応を中断して行う半再生式である。再生後の触媒を抜き出して, 物性, 活性を測定し, 本触媒の安定性を確認した。