著者
淺原彰規 嶋田 茂 丸山 貴志子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3068-3078, 2006-12-15

交通渋滞などの交通情報をモバイル端末に提示するサービスのニーズは大変高まっており,そのため利用者の状況に合わせた分かりやすい地図表示が求められている.そこで,把握しやすく整形された要約地図を自動生成する技術がすでに開発されている.しかし,この技術により広域の道路地図を要約する機能を提供するには,前処理として道路のネットワーク構造を概略的構造へ要約する処理が必要である.そこで我々は,近接道路を併合することによりネットワーク構造を要約するアルゴリズムを開発した.また本方式の評価として,道路の経路図に対し本方式を適用し複雑度測定実験の評価とユーザに対するアンケート評価を行った.その結果,ネットワーク構造要約によって,地図の距離感を保ちつつより整形が進んだ要約経路図を生成できることが確認できた.これにより,広域の道路地図を動的に要約表示する見込みを得た.