著者
淺原彰規 嶋田 茂 丸山 貴志子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3068-3078, 2006-12-15

交通渋滞などの交通情報をモバイル端末に提示するサービスのニーズは大変高まっており,そのため利用者の状況に合わせた分かりやすい地図表示が求められている.そこで,把握しやすく整形された要約地図を自動生成する技術がすでに開発されている.しかし,この技術により広域の道路地図を要約する機能を提供するには,前処理として道路のネットワーク構造を概略的構造へ要約する処理が必要である.そこで我々は,近接道路を併合することによりネットワーク構造を要約するアルゴリズムを開発した.また本方式の評価として,道路の経路図に対し本方式を適用し複雑度測定実験の評価とユーザに対するアンケート評価を行った.その結果,ネットワーク構造要約によって,地図の距離感を保ちつつより整形が進んだ要約経路図を生成できることが確認できた.これにより,広域の道路地図を動的に要約表示する見込みを得た.
著者
淺原 彰規 佐藤 暁子 丸山 貴志子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.24, pp.1-8, 2009-11-05

本報告では歩行者の動線解析技術を提案する.動線解析とは測位装置を持った歩行者の位置情報に意味づけを行う処理であり,意味づけにより適応的な情報配信などが可能となる.まず本報告では動線解析処理を体系化し,動線解析技術が提供しうる機能を明らかにする.次に動線解析の実現可能性を検証するため,バーベキューイベントにて 13 名の動線を収集し,解析した.その結果,誤差 10m 程度で 15 秒/回の測位でも,イベントに伴う歩行者行動の変化が検出された.We propose a pedestrian trajectory analysis in this paper. The trajectory analysis, which is defined as a process to discover sematics of the trajectory, enable an adaptive information distribution for the pedestrian's preference. We classified the analysis methods and their functions in this paper. Then we measured positions of 13 people in a BBQ event in order to prove the possibility of the system with the trajectory analysis. Finally, we obtained that the trajectory analysis is effective even if positioning systems are not so precise.