著者
小幡 大輔 黒田 聡 菅原 俊継 早川 康之 清水 久恵 髙橋 昌宏
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual60, no.Abstract, pp.82_2, 2022 (Released:2022-12-01)

[はじめに]これまで我々は、磁性粒子を利用して血液回路関連の異常対応訓練シミュレータについて、主に透析の条件で検討してきた。今後、アフェレシスやECMO等への仕様拡大を目指しているが、特にアフェレシスのように低流量であると、磁性粒子が沈降して血液回路内を循環できない可能性が考えられた。そこで本報告では、磁性粒子が血液回路内で循環可能な限界流量について検証した。[方法]血液回路(内径4mm、全長150cm)を水平に設置し、粒子径20µmの磁性粒子懸濁液を50mL/minから400mL/minの透析とアフェレシスを想定した流量で、ローラポンプにより循環させた。循環中に血液回路の流入口と流出口を撮影し、その際の流動状態と画像から推定された磁性粒子の量を比較した。[結果] 磁性粒子懸濁液は、100mL/minより流出口まで一様に堆積を伴う流れとなり、160mL/minより均質流であった。また、磁性粒子の量は、100mL/minまで流入口に対して流出口の方が少なかったが、120mL/minより同量となった。[まとめ]磁性粒子が血液回路内で循環可能な限界流量は120mL/minであることが示唆された。しかし、アフェレシスを想定すると50mL/minで循環させるため、粒子径を小さくする等の検討が必要である。また、臨床を想定すると血液回路の様々な設置の条件での検討が必要であると考えられた。
著者
長澤 竜馬 清水 久恵 三澤 顕次 山下 政司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.279, pp.13-17, 2009-11-05
参考文献数
8

一般に,心拍数の増減が感性の興奮状態を表すとされているが,これまでの研究や専門文献から日常生活程度で起こる弱い興奮状態においては,その概念が常に成り立つとは言い難いのが現状である.そこで,弱い興奮時にも応答するセンシティブな興奮指標を考案することにした.多角的なアプローチの中で,感性喚起刺激時の呼吸波と心拍変動のRSA(呼吸性洞性不整脈)成分などの相互相関係数を互いの遅れ時間を考慮して求めたところ,主観評価の興奮スコアとの関連が見出された.これは心肺系の休息レベルとの関係が示唆されるRSA機能によるものと考えられ,感性の興奮時にはこの機能が減弱すると推測される.
著者
神山 英昇 北間 正崇 清水 久恵 山下 政司 横山 徹 小島 洋一郎 清水 孝一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55Annual, no.Proc, pp.593-594, 2017-05-03 (Released:2017-09-13)
参考文献数
1

We have proposed a noninvasive technique to observe an arteriovenous fistula using an optical transillumination image of a blood vessel. To improve the accuracy of inner-diameter measurement of the vessel, we examined the effectiveness of the imagesubtraction technique using multi-wavelength light sources. In the experiment, we fabricated a model-phantom to simulate a human forearm. It contained the tube filled with replaceable absorber liquid which simulated the blood in different wavelengths of illuminating light. The transillumination images of the blood column were recorded with the liquid of different absorption coefficients. The imagesubtraction technique was applied and the images were analyzed. With the subtraction, the sharpness of the column image was improved by 55%, and the error in the diameter measurement was reduced from 28% to 4%. This result verified the effectiveness of the image-subtraction to promote the clinical application of the proposed technique for the controlled care of the arteriovenous fistula.