- 著者
-
峯 浩二
清水 将夫
佐野 耕太郎
- 出版者
- The Society of Chemical Engineers, Japan
- 雑誌
- 化学工学論文集 = Kagaku kogaku ronbunshu (ISSN:0386216X)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.52-56, 2012-03-20
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
-
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細胞外へ多糖を産生する<i>Polianthes tuberosa</i>(チューベローズ)カルスについて,多糖産生に対する溶存酸素濃度およびせん断力の影響を評価した.両者を独立して評価する方法として,充填層型リアクターを使用することが有効であった.カルスの酸素消費速度は溶存酸素濃度の上昇とともに増加するが,多糖の産生は7.6 g/m<sup>3</sup>をピークに減少した.溶存酸素濃度を7.6 g/m<sup>3</sup>近傍に保った条件の下では,供給する培地が与えるせん断力に対して,多糖の産生は極大値を有した.工業生産において一般的に使用される通気撹拌槽では,7.6 g/m<sup>3</sup>付近での溶存酸素濃度の制御は可能であり,好ましいせん断力の付与は難しいものの,安定な操作域での運転が可能であった.