著者
清水 幹人 甲田 亨 中辻 裕司 緒方 英紀 吉良 潤一 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.41-44, 2017 (Released:2017-01-31)
参考文献数
8
被引用文献数
4 5

症例は21歳男性である.2015年4月頃両側足趾のしびれで初発し,6月下旬に歩行障害が出現,8月には高度な姿勢時振戦を認めた.電気生理検査では脱髄性末梢神経障害を認めた.また頭部MRIで複数の小病変を認め,抗neurofascin 155(NF155)抗体が陽性であったため中枢末梢連合脱髄症と診断した.免疫グロブリン大量静注療法,ステロイドパルス療法の効果は軽微であったが,単純血漿交換療法では症状の改善と抗体価の低下を認めた.近年,中枢末梢連合脱髄症と抗NF155抗体との関連が報告されており文献的考察を加えて報告する.