著者
勝田 優 小阪 直史 村田 龍宣 舩越 真理 井上 敬之 山下 美智子 杉田 直哉 勝井 靖 澤田 真嗣 大野 聖子 清水 恒広 藤田 直久
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.354-361, 2015 (Released:2015-12-05)
参考文献数
22

病棟での輸液調製では,調製時の汚染防止により注意を払う必要がある.病棟での輸液調製の現状把握のため,空気清浄度,調製環境,輸液メニューについて血液内科と外科病棟を対象に多施設間調査を実施した.空気清浄度調査は,5施設9部署にて実施し,パーティクルカウンターとエアーサンプラーを用いて浮遊粒子数と浮遊菌の同定・コロニー数を測定した.環境と輸液メニューの調査は,9施設13部署を対象に,調製現場の確認と10日間の注射処方箋(7,201処方)を集計した.空気清浄度は,0.5 μm以上の粒子数が,最も多い部署で3,091×103,少ない部署で393×103個/m3であった.浮遊菌は,黄色ブドウ球菌は3部署のみの検出であったが,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌,Micrococcus属,Corynebacterium属やBacillus属は全部署より検出された.調製台は,9部署で空調吹き出し口の直下にあり,10部署でスタッフの動線上に設置されていた.混合のあった4,903処方のうち,3時間以上の点滴が31%を占めた.病棟での輸液調製マニュアルを整備していたのは,9施設中3施設のみであった.調査から,輸液調製台エリアの空気清浄度は低く,3時間を超える点滴が3割以上を占めるなど,細菌汚染が生じるリスクが高い可能性が示唆された.輸液汚染リスク軽減のため,日本版の病棟での輸液調製ガイドラインの策定が望まれる.
著者
楠 寿子 岸 菜美 清水 恒広
出版者
京都市立病院紀要編集委員会
雑誌
京都市立病院紀要 (ISSN:02861356)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.31-33, 2017-09-15

当院は感染症科を有するエイズ治療拠点病院である.平成23年から医療ソーシャルワーカーの採用を開始し,患者・家族支援に注力してきた.また,平成24年から転退院支援について統計を開始し,平成25年を初年度としてヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus: HIV)感染症/後天性免疫不全症候群(acquired immunedeficiency syndrome: AIDS)患者・家族支援を実施している.エイズ治療拠点病院として,当院地域医療連携室が実施したHIV/AIDS患者・家族支援の実践を通して,HIV/AIDS患者・家族を取り巻く問題点を明らかにし,今後のエイズ治療拠点病院の課題について報告する.Our hospital which has a Department of Infectious Diseases is a core hospital for patients with acquired immune deficiency syndrome (AIDS).Since 2011,medical social workers have been employed to support the patients and their families,and in 2012,statistical analysis on the support for the patient's discharge from hospital or changing of hospitals was started.From 2013,the patients infected with human immunodeficiency virus (HIV) and those with AIDS are being supported along with their families. As an AIDS core hospital,the regional medical collaboration room of our hospital supports HIV/AIDS patients and their families.Through these activities,we have identified the problems these patients and their families are encountering. Herein,we report the future issues of the AIDS core hospital.