著者
清水 誠也 水谷 政美 鶴田 徹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.J24-J29, 2014 (Released:2013-12-20)
参考文献数
8

筆者らは,駐発車を含むさまざまな運転状況でのドライバ視覚支援を目的とし,4台の車載カメラ映像をもとに,自車両の近傍だけではなくより広い範囲の状況を立体感のある全周囲立体映像として合成し,視点を自由に動かしながら表示できる全周囲立体モニタ技術を開発した.本技術により,駐車時,交差点右左折時,高速道路の本線合流時などさまざまな運転状況に応じて死角のない車両周辺映像をリアルタイムに合成し,車載モニタで確認できるようになった.全周囲立体モニタ技術は,すでにドライバ視覚支援製品として実用化されており,ドライバの安心・安全の向上を通して社会に貢献している.本稿では,全周囲立体モニタ技術の原理について述べた後,実用化の課題であったカメラ間の視差と輝度差への対処について示す.さらに車載組込み系システムへの実装と,実車両への適用について報告する.