著者
清水 誠也 水谷 政美 鶴田 徹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.J24-J29, 2014 (Released:2013-12-20)
参考文献数
8

筆者らは,駐発車を含むさまざまな運転状況でのドライバ視覚支援を目的とし,4台の車載カメラ映像をもとに,自車両の近傍だけではなくより広い範囲の状況を立体感のある全周囲立体映像として合成し,視点を自由に動かしながら表示できる全周囲立体モニタ技術を開発した.本技術により,駐車時,交差点右左折時,高速道路の本線合流時などさまざまな運転状況に応じて死角のない車両周辺映像をリアルタイムに合成し,車載モニタで確認できるようになった.全周囲立体モニタ技術は,すでにドライバ視覚支援製品として実用化されており,ドライバの安心・安全の向上を通して社会に貢献している.本稿では,全周囲立体モニタ技術の原理について述べた後,実用化の課題であったカメラ間の視差と輝度差への対処について示す.さらに車載組込み系システムへの実装と,実車両への適用について報告する.
著者
工藤 哲三 横山 朝明 小玉 誠 水谷 政美 今野 次雄
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.159-163, 2010
被引用文献数
2

甘藷製焼酎粕をデカンターによる固液分離後、液部を中空糸膜を使用して得られる無菌ろ液を焼酎の仕込み水として繰り返し再利用していく発酵試験を行った。5回までの再利用において、対照区(通常の仕込方法)と同等かそれ以上のエタノール収量が得られた。ろ液は、再使用回数が増えるにつれ、酵母増殖における誘導期の延長や増殖速度の低下が観察された。
著者
中嶋 正之 水谷 政美 高橋 裕樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1272-1279, 1995-10-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
12

In the field of visualization and CG (Computer Graphics), it is necessary to propose new methods to present objects precisely and to display images in real time. However, these methods need a great deal of computing time and memory. Recently, many methods, using a massive parallel computer, have been reported to satisfy these conditions. The purpose of our research is to develop practical visualization algorithms for massive parallel computers. In this paper, a parallel ray tracing algorithm is proposed, because the ray tracing algorithm has a great deal of parallelism and is able to take advantage of the high performance of massive parallel computers. The ray tracing algorithm has some parallel approaches, i.e. pixels parallel, objects parallel, rays parallel and so on. We propose a hybrid parallel ray tracing algorithm to include these parallel approaches and allowing experiments to compare processing time between each parallel approach. In conclusion, we point out problems with hybrid algorithms on massive parallel computers.
著者
越智 洋 水谷 政美 松浦 靖 古市 佳代 林 幸男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.274-279, 2016-06-15 (Released:2016-07-31)
参考文献数
22

オカラ麹と発酵原料としてのオカラや米を使用して,新しい発酵物を製造し,その成分含量とACE阻害活性について検討した.オカラ麹を使用すると,有機酸,アミノ酸が豊富でACE阻害活性の高い発酵物が得られた.アミノ酸の中では特に必須アミノ酸が大きく増加し,機能性成分のGABAも増加した.また,オカラ麹の発酵物は発酵初期から高いACE阻害活性を示し,発酵終了まで高い活性で推移した.一方,米麹発酵物は,発酵初期はACE阻害活性がなく,時間の経過に従い高くなったが,オカラ麹と比較すると低い値であった.オカラ麹発酵物は体内消化液処理後もACE阻害活性を維持していたので,経口摂取した場合でも有効であると考えられた.
著者
水谷 政美 中嶋 正之
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.41(1994-CG-068), pp.17-24, 1994-05-20

本研究では超並列計算機を利用した実際的なCGアルゴリズムの開発を目的とし,その第1報としてCGアルゴリズムの中でも,超並列計算機の性能を最大限に引き出せると考えられているレイトレーシングに関して並列化を行ない,超並列計算機に適したアルゴリズムを検討する.具体的にはレイトレーシングに内在する並列化の要素の中で,ピクセル並列処理,物体並列処理および2次光線の並列処理に関して検討し,これらを組合わせたハイブリッドな並列アルゴリズムを提案することによって処理の高速化の検討を行なう.また,ハイブリッドな並列アルゴリズムを超並列計算機に実装する際に生じる問題点および本研究における見解について報告する.
著者
松浦 靖 水谷 政美 柏田 雅徳
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.51, pp.83-86, 2006

当県の特産品であるちりめんの加工プロセスから排出される大量の煮汁には,タウリンなどの機能性成分やグルタミン酸,核酸関連化合物等の呈味成分が含まれている。特に,ちりめん煮汁中の遊離アミノ酸を分析したところ,約49%がタウリンであることが分かった。そこで,イオン交換樹脂を用いたちりめん煮汁からのタウリン回収について検討した。未処理の煮汁と電気透析装置により脱塩した煮汁を強塩基性陰イオン交換樹脂に通液することによりタウリンがそれぞれ,1.03mg/mL-resin,2.04mg/mL-resin吸着されることが分かった。
著者
山本 英樹 工藤 哲三 水谷 政美 高山 清子 柏田 雅徳
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.50, pp.113-116, 2005
被引用文献数
1

焼酎もろみから分離収集し当センターに保存している200株余りの野生酵母より,フラスコスケールの全麹発酵試験において,アルコール生産性が高く,もろみの香気成分が良好な酵母を選抜した。このうち7種類の選抜酵母を使用して甘藷焼酎の小仕込試験を行った。対照として宮崎酵母(MK021)を使用した。選抜酵母を使用したもろみは,アルコール分および純アルコール収得量がMK021よりも高く,実用性の高い酵母であることが示唆された。甘藷焼酎の香気成分については,選抜酵母がMK021に比較してn-プロピルアルコール生成量が少なく,i-ブチルアルコール生成量がやや多いなどの違いがあることが分かった。また選抜酵母の焼酎の酒質は,芋らしさや甘みが強い,まろやか,キレがある,香りが華やかであるなどの特徴があることが分かった。これらの選抜酵母は,焼酎製造における新たな実用菌株として期待されている。
著者
水谷 政美 山本 英樹 工藤 哲三
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 = Report of Miyazaki Prefecture Industrial Technology Center & Miyazaki Prefectural Food & R&D Center (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.52, pp.85-87, 2009-01 (Released:2011-03-05)

芋焼酎には、麦焼酎や米焼酎と比較して多くのメタノールが含まれていた。メタノールは、もろみ中でエタノールと同様に時間とともに増加し、蒸留においてもエタノールと同様の留出挙動を示し、分離除去することは困難であると考えられた。そこで、酵母添加前の芋焼酎一次もろみを加熱処理したところ、エタノール収率や香気成分量等に影響せずにメタノール生成量を削減できると考えられた。