著者
清水 雅裕 小口 和代 後藤 進一郎 太田 有人 渡邉 郁人
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.446-451, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
22

CI療法原法は療法士の時間を集中的に使用するため,実施に限界があった.そこで,時間的コスト軽減を図ったmCI療法(自主練習を併用し,1日3時間2名ペアで実施)を考案し,脳卒中発症後180日以内の回復期症例31名に対して実施した.実施前,実施後,6ヵ月後に評価し,推移を観察したところ,STEF,FMA-UE,MAL-AOUの平均値は,実施後,6ヵ月後共に有意に改善.変化量は,MAL-AOUは実施後にMCIDを上回り,FMA-UEは6ヵ月後にMCIDを上回った.mCI療法はペアの難易度調整が随時可能という利点がある.ペアで実施することにより,対象者間で会話が生まれ,動機づけの向上や心理的な支援につながる可能性が示唆された.