著者
仲座 栄三 渡久山 諒 稲垣 賢人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_193-I_198, 2015 (Released:2015-11-10)
参考文献数
11

南西諸島に点在する巨大な津波石の特徴が示された後に,それらの起源が推定されている.結果は,過去数千年間に大津波が7回来襲したとする従来の定説を否定し,明和津波が唯一で巨大な津波であったことを示唆している.こうした議論内容は,これまでに仲座らが発掘調査などから指摘している明和津波最大説と軌を一つにしている.実験により,こうした巨大津波石の発生メカニズムが調べられ,津波石への衝撃波圧の発生,津波石の水没と移動との関連が議論されている.巨大津波の流体力や最大遡上高を推定する上で,本研究成果は示唆に富む内容となっている.