著者
渡辺 佑基
出版者
国立極地研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

マグロ類と一部のサメ(ホホジロザメ等)は、筋肉の収縮によって生じた熱を体内にため込むことにより、体温をまわりの水温よりも高く保つことが知られている。しかし、高い体温を保つことにどのような生態的意義があるのかは、ほとんどわかっていなかった。本研究では、様々な種のサメに記録計を取り付け、自然のままの行動を記録した。体温を高く保つ種は、そうでない種に比べて、遊泳スピードが速く、また一年間の回遊の範囲が広いことが明らかになった。
著者
渡辺 佑基
出版者
国立極地研究所
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

北極海の生態系の頂点に立つニシオンデンザメとホッキョクグマという二種の捕食動物から詳細な行動データを得ることができた。ニシオンデンザメは遊泳速度や尾びれの動きがとても遅く、体の大きさの違いを考慮して比較すると、今まで調べられた魚類の中で最低レベルであることがわかった。北極海の冷たい水温により、本種の遊泳能力は大きく制限されていることが示唆された。ホッキョクグマは少なくとも4月の問は明確な日周性をもたず、一日の約半分の時間を活動的に動き回って過ごし、残りの半分の時間を休んで過ごすことがわかった。