著者
工藤 信樹 鈴木 亮 山本 克之 岡田 健吾 坂口 克至 八木 智史 渡辺 典子 千田 裕樹 奥山 学 松井 智子 吉松 幸里
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究の最終的な目的は,パルス超音波と微小気泡を用いることにより,効率が良く生体に対する安全性が高いin vivoソノポレーション手法を開発することにある.今回の研究では,手法の効率向上を主な目的として,ソノポレーションに伴う細胞変化をタイムラプス観察する光学顕微鏡システムを開発した.また,気泡位置を制御できる光ピンセット装置も開発し,細胞膜損傷の程度や発生部位の制御を実現した.開発した装置を用いて,数10分間の比較的早い時間内に起きる細胞の損傷と修復を観察し,その発生機序について検討した.また,気泡に取り込まれた薬剤の効果発現をとらえるために観察チャンバを改良し,最大20時間程度にわたって細胞に生じる変化を連続観察する手法を確立した.さらに,特定の細胞にのみ付着するターゲティング気泡とシェルに薬剤を付着した気泡を作製し,提案するソノポレーションにおけるこれらの気泡の有用性を確認した.