著者
大井 学 神尾 陽子 松井 智子 藤野 博 田中 優子 高橋 和子
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

某市3公立小学校の全学年児童1,374人のうち、775人について、対人行動チェックリスト(SCDC)日本語版12項目のいずれかにあてはまった169人(21.8%)と、そうでない者のうち約1割にあたる78人について、対人応答性尺度(SRS)日本語版の得点をもとに86人について、CCC-2との関連を検討した。またPDD児10名を含む4歳1ヶ月から11歳6ヶ月(平均生活年齢6歳4ヶ月)の41名を対象としてCCC-2日本語試作版を実施した。田中・ビネー知能検査V、絵画語彙発達検査(PVT-R)、J.COSS第三版、親への調査などを同時に行った。PDD群とTD群の群間比較ではIQ値、CCC-2指標(正値、負値、GCC、SIDC)で有意差があったが、生活年齢、PVT-R、J.COSS、父母の年齢や教育歴などに有意差はなかった。通級指導教室に通級する知的障害のない発達障害の小学生約60名の保護者にCCC-2およびPARSを、対象児にPVTおよびJ.COSS(第三版)を実施した。PARSのスコアから広汎性発達障害の可能性が示唆された児童をASD群に、ASDの基準を満たさずPVTおよびJ.COSSのスコアから語彙および文法理解力に顕著な困難があると評価された児童をSLI群に分類した。ASDにもSLIにも該当しない場合、その他の発達障害群とした。CCC-2の語用に関する領域(場面に不適切な話し方、ステレオタイプ化さわた言語、コミュニケーション場面の利用、非言語コミュニケーション)のスコアを群間で比較し、発達障害児における語用の問題について、特にその障害がASDに固有のものかどうかに焦点を当て検討した。ASD小学生50名にCCCを実施しクラスター分析を行って、4クラスターを得た。
著者
竹久 和志 本田 真也 日比 隆太郎 杉丸 毅 樋口 智也 松井 智子 井上 真智子 大磯 義一郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.2-11, 2023-03-20 (Released:2023-03-24)
参考文献数
30

目的:患者は医療機関選択の際にインターネット上の情報を参考にしている.本研究ではGoogleレビュー上の医療機関に対する評価内容を分析した.方法:静岡県の医療機関のGoogleレビューの評点とクチコミを用いた.クチコミはあらかじめ設定した12の評価項目でコード化した上で,ポジティブ,ネガティブ,分類不能,記述なしに分類し,修正ポアソン回帰分析で評点との関連を分析した.結果:対象の医療機関は2,044施設,クチコミ数は13,769件であった.「医師の応対」に触れたクチコミが最も多く(5,035件),ポジティブなクチコミは高評価(偏回帰係数:0.76,95%信頼区間:0.70~0.82)と,ネガティブなクチコミは低評価(-4.65,-5.24~-4.06)と有意な関連があった.結論:Googleレビューにおいては,医師の応対に関するクチコミが評点に影響を与えていた.
著者
金水 敏 定延 利之 渋谷 勝己 山口 治彦 鄭 惠先 松井 智子 山口 治彦 定延 利之 鄭 惠先 勅使河原 三保子 渋谷 勝己 松井 智子 吉村 和真 岡崎 智子 菅 さやか
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

役割語とは、一定のキャラクタと対応関係を持つ話し方(語彙、語法、音声的特徴等)のヴァリエーションのことである。本研究では、1)役割語の理論的基盤、2)幼児の役割語獲得のプロセス、3)個別の役割語についての記述的研究と歴史的起源の探求、4)日本語と外国語との対照研究、5)教育への応用、という5つの問題について、検討してきた。その結果、社会的属性が役割語の中核となること、役割語の知識が5歳までに獲得されること等を明らかにした。
著者
権藤 桂子 松井 智子 大井 学
出版者
共立女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

多文化多言語併用環境下(日英2言語)で育つ定型発達児および高機能発達障害児の言語コミュニケーション発達の特徴を、日英2言語の語彙、文法、言語環境について評価を行った。バイリンガル定型発達児もバイリンガル発達障害児も、文化差による知識や体験の偏りが語彙理解に影響を及ぼす傾向があった。文法理解については、バイリンガル定型発達児は比較的良好な発達パターンを示したが、発達障害児はモノリンガルもバイリンガルも不定形な発達パターンを示す傾向があった。また、バイリンガル発達障害児の支援には、家族支援が重要な役割を果たしていることが明確化された。
著者
工藤 信樹 鈴木 亮 山本 克之 岡田 健吾 坂口 克至 八木 智史 渡辺 典子 千田 裕樹 奥山 学 松井 智子 吉松 幸里
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究の最終的な目的は,パルス超音波と微小気泡を用いることにより,効率が良く生体に対する安全性が高いin vivoソノポレーション手法を開発することにある.今回の研究では,手法の効率向上を主な目的として,ソノポレーションに伴う細胞変化をタイムラプス観察する光学顕微鏡システムを開発した.また,気泡位置を制御できる光ピンセット装置も開発し,細胞膜損傷の程度や発生部位の制御を実現した.開発した装置を用いて,数10分間の比較的早い時間内に起きる細胞の損傷と修復を観察し,その発生機序について検討した.また,気泡に取り込まれた薬剤の効果発現をとらえるために観察チャンバを改良し,最大20時間程度にわたって細胞に生じる変化を連続観察する手法を確立した.さらに,特定の細胞にのみ付着するターゲティング気泡とシェルに薬剤を付着した気泡を作製し,提案するソノポレーションにおけるこれらの気泡の有用性を確認した.