著者
渡辺 邦太郎 徳嶺 譲芳
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
雑誌
LiSA (ISSN:13408836)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.810-813, 2017-08-01

今回は,腕神経叢ブロック時に投与する局所麻酔薬にステロイドを添加することで作用が延長する効果について紹介する。本稿のようにステロイドを加えることで,単回の腕神経叢ブロックの効果を延長させることができる。これまで深夜にブロック効果が切れていたものが翌朝まで効果が得られることになり,臨床上の有用性は高い。一方で,その作用機序は明らかではなく,神経障害など副作用が生じる危険性もある。筆者の施設では,ステロイドは全身投与に留め,局所麻酔薬への添加は行っていない。適応外使用であることも含め,本稿の内容を臨床で応用する際には,リスクとベネフィットについてよく検討していただきたい(森本 康裕)