著者
近藤 滋 川上 浩一 渡邉 正勝 宮澤 清太
出版者
大阪大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

ゼブラフィッシュの皮膚模様形成機構に関して、以下の結果を得た。1)色素細胞間の相互作用のネットワークを明らかにした。2)上のネットワークを組み込んだ計算機シミュレーションが、模様形成の過程を正確に再現した。3)模様変異突然変異2種の遺伝子クローニングした。4)クローニングされた遺伝子は、Kチャンネルとギャップジャンクションであった。5)クローニングされた遺伝子、または改変した遺伝子を導入することで、模様がさまざまに変化することを発見した。6)5の事実から、模様形成のためのシグナル伝達には、イオンや低分子が重要な役割を果たしていることが明らかになった。以上により、ゼブラフィッシュの皮膚模様形成に関して、多くの事実が発見され、模様形成原理の解明に大きく近づくことができた。
著者
近藤 滋 渡邉 正勝
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

動物における自律的なパターン形成の基本原理がTuring波であるとの仮説を検証するため、ゼブラフィッシュの模様形成機構を分子レベルで解析した。その結果(1)ゼブラフィッシュの模様は、Turing波と一致する動的な性質を持つこと、(2)色素細胞間の相互作用がTuring波形成の条件を満たすこと、(3)Turing波形成にかかわる分子が、ギャップジャンクション、Notch-Delta, Kirチャンネルであることを突き止めた。目標の90%は達成されており、Turing波形成の完全解明も、目前に迫ったといえる。