- 著者
-
渡邊 義行
- 出版者
- 日本教育医学会
- 雑誌
- 教育医学 (ISSN:02850990)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.2, pp.101-118, 2006 (Released:2021-10-30)
- 参考文献数
- 28
1999年(平成11年)改訂の小・中・高等学校の体育・保健体育の学習指導要領1)2)3)では,「集団行動の指導は,運動の特性との関連において適切に行う」こととしている.すなわち,集団行動の時間を特別に設けて指導するのではなく,各運動領域の運動の特性に応じて適切に指導するとか,あるいは特別活動の学校行事等の機会に集団指導を行うこととしている.
学校における集団行動とは,集合,整とん,列の増減などの行動をいい,その行動の仕方は色々な機会をとらえて指導しようとするものである.
児童生徒の集団を集合させたら,先ず最初に発する号令は「気をつけ」であり,「気をつけ」の姿勢を指導するであろう.一方,社会人になって「気をつけ」の号令を受けることは全く無いといってよい.しかしながら学校において教師は,極めて普通に,何の戸惑いや抵抗もなく「気をつけ」という号令を発し,児童生徒はその号令を受けている.
この度,日本における「気をつけ」号令と「気をつけ」姿勢にこだわって,その歴史を若干の資料からたどってみたいと思う.