著者
松田 佳尚 小西 行郎 渡部 基信
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

乳児期の人見知り行動が、相手に近づきたい(接近行動)と怖いから離れたい(回避行動)が混在した状態、すなわち「葛藤」状態であることを発見し、さらに相手の「目」に敏感に反応することを明らかにした。さらに、自分と向き合った顔(正視顔)とよそ見をしている顔(逸視顔)の映像では、よそ見をしている顔を長く観察することが分かった。また、800名を対象に生後4~18ヵ月の間、縦断研究を行ったところ、人見知りの出現時期や強さに個人差が大きいことが分かった。この成果によって、これまで知られていた、学童期に見られる人見知りの原因とされる「接近と回避の葛藤」が、わずか1歳前の乳児でも見られることが初めて示された。