著者
片平 健太郎 藤村 友美 松田 佳尚 岡ノ谷 一夫 岡田 真人
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.71-76, 2013-04-25 (Released:2013-06-07)
参考文献数
12

We investigated how emotional responses reflected in autonomic nervous system activities and facial muscles activities are related to learning in decision-making. Based on the conventional Q-learning model, we constructed novel learning models that incorporate the trial-to-trial variability in the physiological responses. In our models, the variables reflecting the physiological activities can modulate two important parameters of the model: (1) the learning rate, which determines the degree of update in response to the current choice outcome, and (2) the reward value, which quantifies the valence of the current outcome. We applied the models to the data from two types of decision-making task; one used emotional pictures as decision outcomes, and another used monetary reward. The valence of the outcomes was stochastically contingent on participants' choices. We demonstrated that proposed models that incorporated physiological measures including skin conductance, corrugator muscle activity and orbicular muscle activity, improved the prediction of the model, mainly for the emotional picture task. Our results suggest that some emotional responses are related to the subsequent choice behavior.
著者
小西 行郎 秦 利之 日下 隆 諸隈 誠一 松石 豊次郎 船曳 康子 三池 輝久 小西 郁生 村井 俊哉 最上 晴太 山下 裕史朗 小西 行彦 金西 賢治 花岡 有為子 田島 世貴 松田 佳尚 高野 裕治 中井 昭夫 豊浦 麻記子
出版者
同志社大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

発達障害とりわけ自閉症スペクトラム障害(以下ASDと略す)について、運動、睡眠、心拍、内分泌機能、体温などの生体機能リズムの異常を胎児期から学童期まで測定し、ASDにはこうした生体機能リズムの異常が症状発生の前、胎児期からでも見られることを発見した。それによって社会性の障害というASDの概念を打ち破り、生体機能リズムの異常としてのASDという新しい概念を得ることができた。この研究を通して、いくつかのバイオマーカを選択することが可能になり、科学的で包括的な診断方法を構築すると共に、障害発症前に予防する先制医療へ向けて展望が開けてきた。
著者
松田 佳尚 小西 行郎 渡部 基信
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

乳児期の人見知り行動が、相手に近づきたい(接近行動)と怖いから離れたい(回避行動)が混在した状態、すなわち「葛藤」状態であることを発見し、さらに相手の「目」に敏感に反応することを明らかにした。さらに、自分と向き合った顔(正視顔)とよそ見をしている顔(逸視顔)の映像では、よそ見をしている顔を長く観察することが分かった。また、800名を対象に生後4~18ヵ月の間、縦断研究を行ったところ、人見知りの出現時期や強さに個人差が大きいことが分かった。この成果によって、これまで知られていた、学童期に見られる人見知りの原因とされる「接近と回避の葛藤」が、わずか1歳前の乳児でも見られることが初めて示された。