著者
渡部 薫
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.31-41, 2005-09-30 (Released:2009-12-08)
参考文献数
49

本稿は、都市の創造性の議論に対して、消費的視点の重要性を主張し、消費者の文化創造能力を切り口に文化消費と創造的環境の関係について考察を行った。消費者の文化創造能力は都市の文化空間において表現活動を中心にして発揮されるが、この能力が都市の創造的環境の形成に貢献するためには、文化空間において消費者の活動を創造的なものに方向付ける創造的な文化資本が備わっていることが一つの条件になる一方で、消費者の文化創造能力が生産する意味はこのような創造的な文化資本の維持・更新に寄与していることが示された。
著者
渡部 薫
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.49-59, 2004-09-30 (Released:2009-12-08)
参考文献数
47

本稿は、経済の文化化の意味するところを経済活動における手段的価値と内在的価値の対立関係の中に見出し、経済活動における創造性の価値が増大している一方で管理化が進行しているという現在の状況を2つの価値の関係においてどう解釈するかという問題を設定し、その解釈を試みた。その結果、創造的活動は管理的要請に従属させられるのではなく、基本的に内在的価値に基づいていること、他方で、手段的合理性の追求はもっぱら手段的活動において強く作用しており、創造的活動による価値の創造は手段的活動によって支えられている、すなわち、手段的価値が内在的価値を支えているという関係に基づいていることが示された。
著者
渡部 薫
出版者
文化経済学会〈日本〉
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.31-41, 2005

本稿は、都市の創造性の議論に対して、消費的視点の重要性を主張し、消費者の文化創造能力を切り口に文化消費と創造的環境の関係について考察を行った。消費者の文化創造能力は都市の文化空間において表現活動を中心にして発揮されるが、この能力が都市の創造的環境の形成に貢献するためには、文化空間において消費者の活動を創造的なものに方向付ける創造的な文化資本が備わっていることが一つの条件になる一方で、消費者の文化創造能力が生産する意味はこのような創造的な文化資本の維持・更新に寄与していることが示された。