著者
渡部 龍正 鍬田 泰子 後藤 浩之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_244-I_252, 2012 (Released:2012-07-26)
参考文献数
11

北海道では,軟弱な泥炭地盤が広がり,地震時には宅地や地中管路に被害が出やすい.北海道浦河町にも泥炭が堆積しており,1982年浦河沖地震や2003年十勝沖地震では建物被害だけでなく地中の水道管路にも被害が発生した.本研究では浦河町を対象にして,表面波探査から表層の泥炭地盤のS波速度や深さを推定し,泥炭地盤を有する断面の地震応答解析によって,表層の地盤ひずみを算出した.狭隘な谷筋に堆積した地盤の基盤面が不整形であることだけでなく,泥炭地盤のS波速度や深さが地盤ひずみに大きく影響することが明らかになった.さらに,基盤面の勾配が大きいところで過去の地震における管路被害が多く発生していることが分かった.