- 著者
-
岡田 全司
大原 直也
吉田 栄人
鈴木 克洋
井上 義一
源 誠二郎
- 出版者
- 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター)
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2002
1.結核菌症のキラーT細胞分化機構:(1)抗結核キラーT細胞から産出されるGranulysin〔15kdのGranulysin(15KGra)〕が結核殺傷に極めて重要な役割を果たしている発見をした。GraはMφ内結核菌を殺傷した。(2)結核患者キラーT細胞から分泌されるkiller secretory protein(Ksp37)が血清中で低下していることを初めて明らかにした。(3)15K Gra DNAワクチンは結核予防効果を示した。(a)15K Granulysin DNAワクチン(b)9K Granulysin DNAワクチン(c)分泌型9K Granulysin DNAワクチン(d)Adenovirusベクター/15K Granulysinワクチンをすでに作製した。(4)15K Gra Transgenicマウスを初めて作製し、Granulysin transgenicマウスは生体内の抗結核菌殺傷作用のみでなく、結核に対するキラーT細胞の分化誘導を増強した。また、結核菌に対するT細胞増殖能増強作用とIFN-γ産生増強効果を示した。2.新しい結核予防ワクチンの開発(1)新しいDNAワクチンの開発(1)BCGワクチンより1万倍強力な結核予防ワクチン(HVJ/Hsp65+IL-12DNAワクチン)開発に成功した。(2)カニクイザルの系で世界で初めて、結核予防ワクチンの有効性を示した。(Vaccine 2005)これらのワクチン効果とキラーT誘導活性は相関した。3.新しい結核治療ワクチンの開発(Hsp65DNA+IL-12DNAワクチン)上記のHsp65+IL-12DNAワクチンは結核治療ワクチン効果も示し、世界で初めて結核治療ワクチンを創製することに成功した。これらの治療ワクチン効果と、IFN-γ産生細胞の増殖(Elispotアッセイで測定)活性は相関した。