著者
モンスリムアンディ ブーンティダ 大原 直也 田中 美菜子 山本 福壽 Boontida Moungsrimuangdee Naoya O-hara Minako Tanaka Fukuju Yamamoto 鳥取大学大学院連合農学研究科 鳥取大学農学部 鳥取大学農学部 鳥取大学農学部 The United Graduate School of Agricultural Sciences Tottori University Faculty of Agriculture Tottori University Faculty of Agriculture Tottori University Faculty of Agriculture Tottori University
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 = Journal of tree health (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.89-96, 2011-07-31
参考文献数
25
被引用文献数
1

カシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)の加害を受けたコナラ(Quercus serrata)成木,および健全な個体の木部におけるエチレン生成と道管内のチロース形成を比較した.カシノナガキクイムシの加害にはナラ菌(Raffaelea quercivora)の感染がともなっていた.加害を受けた後も生存していた個体では,当年生の木部からの多量のエチレン放出が確認された.これに対し健全な個体,および加害後に枯死した個体からのエチレン生成量は少なかった.昆虫の加害は,多くが樹幹の基部に集中していた.加害後に生存していた個体の道管の多くはチロースによって閉塞されていた.エチレン生成は当年生の木部で顕著であったが,内部の辺材部位,あるいは心材外周の移行材の部位では少なかった.エチレン生成の多かった生存個体では,道管内にナラ菌の菌糸の蔓延も確認した.当年生木部における活発なエチレンの生成は,コナラのナラ菌感染に対する防御反応に関係しているものと予想された.
著者
岡田 全司 大原 直也 吉田 栄人 鈴木 克洋 井上 義一 源 誠二郎
出版者
独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.結核菌症のキラーT細胞分化機構:(1)抗結核キラーT細胞から産出されるGranulysin〔15kdのGranulysin(15KGra)〕が結核殺傷に極めて重要な役割を果たしている発見をした。GraはMφ内結核菌を殺傷した。(2)結核患者キラーT細胞から分泌されるkiller secretory protein(Ksp37)が血清中で低下していることを初めて明らかにした。(3)15K Gra DNAワクチンは結核予防効果を示した。(a)15K Granulysin DNAワクチン(b)9K Granulysin DNAワクチン(c)分泌型9K Granulysin DNAワクチン(d)Adenovirusベクター/15K Granulysinワクチンをすでに作製した。(4)15K Gra Transgenicマウスを初めて作製し、Granulysin transgenicマウスは生体内の抗結核菌殺傷作用のみでなく、結核に対するキラーT細胞の分化誘導を増強した。また、結核菌に対するT細胞増殖能増強作用とIFN-γ産生増強効果を示した。2.新しい結核予防ワクチンの開発(1)新しいDNAワクチンの開発(1)BCGワクチンより1万倍強力な結核予防ワクチン(HVJ/Hsp65+IL-12DNAワクチン)開発に成功した。(2)カニクイザルの系で世界で初めて、結核予防ワクチンの有効性を示した。(Vaccine 2005)これらのワクチン効果とキラーT誘導活性は相関した。3.新しい結核治療ワクチンの開発(Hsp65DNA+IL-12DNAワクチン)上記のHsp65+IL-12DNAワクチンは結核治療ワクチン効果も示し、世界で初めて結核治療ワクチンを創製することに成功した。これらの治療ワクチン効果と、IFN-γ産生細胞の増殖(Elispotアッセイで測定)活性は相関した。
著者
岡田 全司 吉田 栄人 大原 直也 鈴木 克洋 井上 義一 露口 一成
出版者
独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

(1)新しい結核治療ワクチンの開発:HVJ-エンベロープ/HSP65 DNA+IL-12 DNAワクチンはマウス及びヒト結核感染に最も近いカニクイザルを用い、多剤耐性結核や超薬剤耐性結核に対し、治療効果(結核菌数減少及び延命効果)を発揮する画期的なワクチンであることを発見。(2)この抗結核効果がキラーT細胞分化誘導と関係。(3)15K granulysinタンパクが結核菌に対するキラーT細胞分化誘導活性を示すことを発見。IL-6 やIL-2と相乗的なキラーT分化誘導を示した。(4)granulysin Tgマウスを作製した。