著者
溝口 哲平 谷口 綾子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00081, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
59

移動中の活動による移動の不効用低減・効用増進効果は,従来,活動種類や道具・機器をもとに検討されてきた.本研究は,移動中の活動が行われる“理由”と持たれる“認識”を「移動中の活動の主観的意味」(SMTM)と呼び,どういったSMTMが移動の不効用低減・効用増進効果を有するのかを検討した.SMTMと移動時間短縮意向との関連を調べた結果,移動中の活動は,“暇つぶし”ではなくその活動を行うこと自体を目的に,“行いたいと思って”行われる場合,移動時間の維持を,“暇つぶし”が目的である,あるいは“行いたいと思って”行われない場合,短縮を希望する方向に寄与することが分かった.移動の不効用低減・効用増進効果は前者の場合のみ有すると推察される.