- 著者
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西川 雅高
安部 喜也
溝口 次夫
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.11, pp.659-664, 1985-11-05
- 被引用文献数
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6
5
誘導結合プラズマ発光分析法により,降水中の諸元素の分析を行う場合,直接測定できる元素は限られる.より多くの元素種を測定するためには試水の濃縮が必要である.試水の汚染と容器への吸着を防ぎ,しかも効率よく濃縮する方法として,ロータリーエバポレーターにテフロン製(FEP)容器を組み込んだ蒸発濃縮装置を開発し,従来のガラス製容器による方法と比較した.その結果,器壁からの元素の溶出や吸着などの誤差要因は無視してよいことが分かり,従来のガラス製容器を用いた方法では分析が困難であった降水中のホウ素,ケイ素も同時に分析が可能になった.実試料への応用として雨水及び南極の表層雪中の24元素の分析を行った.