著者
三宮 秀次 佐藤 聡 片岸 一起 滝沢 穂高
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2023-IOT-61, no.12, pp.1-6, 2023-05-04

筑波大学キャンパス情報ネットワークシステムにおいては,大学基幹ネットワークシステムとしての安定運用の実現と情報セキュリティの維持に加えて,調達費用の削減が求められている.本稿は,これらの要件を満たすための設計上の工夫とその実装を説明するとともに,リース期限を迎える現行システムに代わる次期システムの調達における取り組みを述べる.具体的には,学内・学外間に加えて,学内サブネットワーク間の通信についても,全数監視を実現するセキュリティサブシステムの構成とその活用計画を説明する.さらに,これまでの運用実績・経験に基づく,安定運用と,機器点数の削減を実現するネットワークシステム構成を説明する.最後に,入札における競争を促すとともに,ポリシー策定における重要な判断材料である,情報セキュリティにかかる費用を可視化するための分割調達の試みを紹介する.
著者
石井 茂如 滝沢 穂高
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.412-420, 2012-01-15

本研究の目的は胸部X線CT画像から肺結節(肺がんの候補)を検出するための計算機診断支援(CAD)システムを開発することである.我々のCADシステムの最も重要な構成要素の1つとして,結節と血管の3次元物体モデルを用いた結節認識手法であるモデルマッチング法を提案している.この手法は高い精度で結節を認識可能だが,いまだ十分ではない.そこで,本論文ではモデルマッチング法に以下の3つの改良を加える.第1に,肺野内血管の位置とサイズとの関係を表す統計的な分布モデルを構築する.これを事前知識として利用することによって,より信頼性の高い血管モデルを生成し,認識率を向上させる.第2に,血管に隣接する結節を認識するために結節モデルと血管モデルを組み合わせた新たなモデルを導入する.第3に,単円筒モデルを用いた新たなアルゴリズムを用いることで最適モデルの探索を高速化する.これらの改良を8mmスライス間隔のCT画像98例に適用したところ,TP率90%でのFP数を従来法の15.5[個/症例]から9.2[個/症例]に削減することができ,本手法の有効性が確認された.The purpose of this work is to build a computer-aided diagnosis (CAD) system for detection of pulmonary nodules on thoracic X-ray computed tomography (CT) scans. As a core component of our CAD system, nodule recognition method based on three-dimensional nodule and blood vessel models was proposed. The method achieved high accuracy in recognition, but is not sufficient yet. Therefore, in this paper, we improve the model-based method as follows. First, the distribution of blood vessel sizes in lungs is modeled to represent the relationship between their sizes and positions in lungs. The distribution model is used as a priori knowledge for generating more reliable blood vessel models. Second, the nodule models are combined with the blood vessel models for recognizing nodules adjacent to blood vessels. Third, the model optimization is made faster by use of the improved algorithm based on simplified blood vessel models. The improved model-based recognition method is applied to actual 98 CT scans that include total 98 nodules. The number of false positives is successfully reduced from 15.5 per case by our previous method to 9.2 per case by the improved method at the 90% sensitivity.
著者
早川 雄貴 滝沢 穂高 工藤 博幸 岡田 俊之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.77-80, 2016

本報告では,腹部X線CT画像の位置合わせ手法について述べる.はじめに空気領域の非対応の問題に対応するため,粘性流体力学に基づく非剛体変形により2枚の画像の空気抜きを行う.次に撮像範囲の異なる2枚の画像間においても柔軟に同一組織の位置合わせを行えるようにするため,CT画像から骨領域を抽出し,その構造情報を基に大まかな位置合わせを行う.最後に,マクスウェルの悪魔アルゴリズムと局所的なアフィン変形のモデルに基づく変形場近似のアルゴリズムを用いて非剛体の位置合わせを行い,より詳細な位置合わせを行う.本報告では,本手法を実症例画像に適用した結果を示し,本手法の有効性を検証する.
著者
石井 茂如 滝沢 穂高
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.412-420, 2012-01-15

本研究の目的は胸部X線CT画像から肺結節(肺がんの候補)を検出するための計算機診断支援(CAD)システムを開発することである.我々のCADシステムの最も重要な構成要素の1つとして,結節と血管の3次元物体モデルを用いた結節認識手法であるモデルマッチング法を提案している.この手法は高い精度で結節を認識可能だが,いまだ十分ではない.そこで,本論文ではモデルマッチング法に以下の3つの改良を加える.第1に,肺野内血管の位置とサイズとの関係を表す統計的な分布モデルを構築する.これを事前知識として利用することによって,より信頼性の高い血管モデルを生成し,認識率を向上させる.第2に,血管に隣接する結節を認識するために結節モデルと血管モデルを組み合わせた新たなモデルを導入する.第3に,単円筒モデルを用いた新たなアルゴリズムを用いることで最適モデルの探索を高速化する.これらの改良を8mmスライス間隔のCT画像98例に適用したところ,TP率90%でのFP数を従来法の15.5[個/症例]から9.2[個/症例]に削減することができ,本手法の有効性が確認された.