著者
橋羽 裕規男 滝野 勲
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学大学教育開放センター紀要 (ISSN:03897516)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.99-109, 1984-03-31
被引用文献数
1

3年間にわたる小学校児童と中学校生徒の形態・身体機能の発育・発達を縦断的に調査し、次のような結論を得た。1身長や下肢長(腸骨棘高)などの長育の発育は全国と比して差はなく、全国と同様な発育経過を示している。2体重は、全国と同様な発育経過を示しているが、小学生男女と中学生女子で石川県がやや劣っている。3幅周育では、学年別で男女とも全国より劣っている。4身体機能面は、全国より石川県が劣っている項目(肺活量・背筋力・懸垂・垂直跳・50m走)が多く、特に小学生男女に顕著である。5 5分間走において、中学校3年男女が全国・石川県ともに2年次より低下しており、急激なスポーツ活動の中断が体力特にスタミナ(持久的能力)の低下に短期間に影響を及ぼすことを認めた。以上のような結論を得たが、なお、伸長期・充実期とスポーツ活動の関連や、形態指数の推移などの点について詳細に検討を試みて次号に報告する予定である。最後に、調査に際しご協力を賜わりました教育委員会・学校関係各位ならびに児童・生徒諸君に深く感謝いたします。なお、本研究は、国庫補肋による「スポーツ医科学研究」の一部である。