著者
澁谷 正子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.73-79, 2000-03-31

本学介護福祉学科の1年次生に対して,老人に対するイメージと自身の老後観の調査を行った。その結果,老人に対して好意的・プラスイメージを持っている者が多かった。要因として,学生の約7割が祖父母との同居経験を有している。親の介護は自然なこととして,負担・迷惑とは思っていないが,自分の老後については,子供に負担・迷惑をかけることと考えており,自活生活が困難になったら施設入所を考えている。現制度の老人施設に対しては,介護側にとっては良いが,介護される立場なら生活の場としても好ましくないと思っている。学生は,入学を機に「老い」を真剣に考え,超高齢化社会を現実的なものとして受けとめている。将来を,充実した楽しみな老後にしたいと考えており,自分たちの老後のためにも社会的サービスの充実を自ら参画して築こうという気概をよみとれる。