- 著者
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高井 許子
水道 裕久
藤田 晃人
小谷 麻由美
山西 敦之
澄川 一英
光岡 知足
- 出版者
- 公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
- 雑誌
- 腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.1, pp.27-35, 2001 (Released:2011-02-23)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
3
便秘症状を自覚する成人25名 (22~57歳, 平均年齢33.3歳) を対象に, 乾燥ビール酵母錠剤および乾燥ビール酵母を乳酸菌で発酵 (Lactobacillus rhamnosus SN88株でpH4.07まで発酵) したものを配合して加熱殺菌した飲料による, 排便 (便通・便性) に及ぼす影響について検討した.12名に乾燥ビール酵母錠剤を1日25錠 (酵母量3.75g) 〈 以下錠剤群と略記 〉, 13名に乳酸菌発酵ビール酵母飲料を1日1缶 (160g, 酵母3.75gを含む) 〈 以下飲料群と略記 〉, それぞれ3週間摂取させた.錠剤群には, 摂取時に飲料と同量の水も摂取させた.摂取期間の前後に各2週間ずっ非摂取期間を設け, 排便に関するアンケート調査を実施した.試験期間中, 発酵乳, オリゴ糖, 納豆, 野菜ジュースなど便性に影響を与える可能性がある食品, 薬剤の摂取を控えさせた以外は特に食事制限は行わなかった.摂取期間終了時の有効症例である解析対象者は, 錠剤群で9名, 飲料群で8名となった.その結果, 飲料群について, 摂取期間中に排便回数, 排便量, 排便後の感覚 (すっきり感), 1週ごとの便秘自覚状況の有意な改善が認められた.便の形状, 硬さについても改善の傾向はあったが, 有意な差ではなかった.また摂取を終了すると, 便通の状態は摂取前に近い状態に戻った.錠剤群に関しても, 摂取により便通改善の傾向は認められたが有意な差ではなかった.以上の結果より, 乳酸菌発酵ビール酵母飲料は, 便秘の人の排便改善に有用であることが明らかになった.